頬(ほほ)のたるみ改善にはフェイスリフトが適しています。「ミッドフェイスリフト」、「頬・頚部リフト」(ほほ・首リフト)があります。
頬の部分における除皺術(しわ取り術)はSMASを利用した下顔面のリフト(アゴのライン~頚部のリフト)と鼻唇溝(法令線)上部から頬部(首)内側の中顔面リフトに分けられます。通常両部位はフェイスリフトとして同時に手術されますが、中顔面においてはSMASの発達が下顔面と異なり、より手術を難しいものとしています。
中顔面においてはSMAS(筋膜)の層に含まれる下まぶたの眼輪筋(目の周りを楕円状に囲んでいる筋)は、頬骨(ほほ骨)骨膜から起こる大・小頬骨筋、上唇下制筋と連続性を持ちません。さらに側頭部からのアプローチも制限され、外側上方への引き上げが難しくなります。中顔面におけるミッドフェイスリフトについて多くの報告がみられるのは、剥離する層、引き上げるべき組織、その固定方法などさまざま可能性があるからです。
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| コメカミ毛髪内に約3~4cmの切開を行い、 眉毛外側、目尻、(ときにミッドフェイス) も改善します |
| ■中顔面における解剖 |
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| <中顔面における解剖> SMASは眼輪筋下縁から口輪筋に向かって 大頬骨筋上に存在するとされています。 頬部で特に発達した表在性筋膜をmalar fatと表現します。 |
従来より行われてきたSMAS法は比較的に簡単で安全な手術法ではありますが、頬部(特に鼻唇溝)に関してはその効果の程度、持続性に限界があります。その理由はSMASと大頬骨筋との結合部における解剖学的関係、リテイニング・リガメント(retaining ligament)の存在によるためです。
SMASを耳前部だけで引き上げ効果を出すには、東洋人のような頬骨、えらが張っている顔面骨格をもつ人種には難しいものがあります。そこで当院では頬骨隆起部(malar eminence)を境にSMASに対する引き上げ固定法を2つに分けて考えています。
SMAS前方部(頬中央部)ではSMAS折りたたみ(SMASplication)を行い、SMAS後方部(耳前部)ではSMAS切除(SMASectomy)を行います。次にリテイニング・リガメント(retaining ligament=靭帯)を切離することにより皮弁の可動性がよくなり、後上方への引き上げ効果は大きくなります。しかし切開創での縫合のみで引き上げた皮膚を支えることには限界があります。切離した咬筋(そしゃく筋の一つ)のリガメント、頬骨(ほほぼね)のリガメントを皮弁引き上げ位置でSMAS側に固定することにより、創部緊張が緩和され、傷が早期から目立たず、効果の持続性も改善されます。
手術は多少複雑ですが、その安全性、効果を考えた場合には大変すぐれた術式となります。
皮膚とSMAS(表在性筋膜)を同時に引き上げるダブル・サスペンション法、さらに皮膚を支える柱である靭帯(リテイニング・リガメント)同士を結びつけるフェイスリフトは、従来法とは、比較にならない効果をもたらします。
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| 1 zygomatic ligament 2 masseteric ligament 3 parotid ligament 4 mandibular ligament |